前回ブログでは民間事業者が地中熱を利用する際に使える補助金として経済産業省の「再生可能エネルギー事業者支援事業を紹介しましたが、社会福祉法人や医療法人などの場合は、環境省の補助金となります。概要をのぞいてみましょう。(エコビジネスライター 名古屋悟)
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地中熱設備を導入する際に使える補助金は、経済産業省の補助金だけではなく、環境省の補助金も使えます。
その代表とも言えるのが、「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」で地方公共団体及び非営利法人等(社会福祉法人、医療法人等)が対象となります。
この事業では、再生可能エネルギー導入事業のうち、自治体等の積極的な参画・関与を通じて各種の課題へ適切に対応するものについて事業化の検討や設備導入の費用を補助するとし、地中熱設備も対象になります。
交付の対象となる事業は、地方公共団体が申請者の場合、原則として地方公共団体実行計画に位置づけられる事業等が対象となり、地方公共団体が申請者の場合、①地方方公共団体実行計画に位置付けられた施策 ②地方公共団体が実行計画への位置づけを検討している施策③実行計画に準ずる計画に位置づけられた施策――としています。
地方公共団体以外が申請者の場合、地方公共団体が申請者の場合と同じ項目、その他、地方公共団体が策定した他の計画に位置づけられた施策(温対法第21条に掲げる要件を全て満たす必要はなく、例えば地方公共団体の総合戦略のようなものでも可) としています。
【2018年度から「事業性評価」も審査項目に加わっています】
1点留意点があります。
2018年度から事業の健全性も評価することとなり、事業性評価を行うことが追加され、留意が必要です。
地中熱利用事業の事業計画段階において特に重大リスクとしては、オープンループ方式の場合は、水質汚濁防止法に抵触するリスク、配管内にスケールが付着して、取水熱量が低下(停止)するリスク等が挙げられるとしています。
クローズドループ方式の場合は、十分に採熱できないリスクが挙げられるとしています。
これらのリスクへの対策としては、オープンループの場合、地下水の分析を行い、法律等への適合性を判断する、地下水を分析し、付着が想定されるスケールの対策を図るとし、クローズドループの場合、事業実施前に熱応答試験(サーマルレスポンステスト)を実施し、可能熱交換量を把握する等が挙げられるとし、それぞれ補助金申請時には対応が求められます。
【申請時は少々手間ですが、地中熱導入効果が高い社会福祉法人等での活用に期待!】
環境改善への寄与が求められるため、申請時に要求される項目が多く、少々手間がかかる部分がありますが、社会福祉法人や医療法人など地中熱導入効果が高い事業所で使える補助金ですので、積極的に活用されると良いと思っています。
同事業の執行団体は、公益財団法人日本環境協会となります。
今年度事業は6月1日まで募集していますが、公募予算に達しなかった場合、本公募終了後、二次公募を行う場合があります(その場合は、8月初旬頃、当協会のホームページに掲載し公募受付を行う予定です)。
公募等は以下アドレスから。
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