省エネ効果が高い地中熱利用空調システムは、学校等の公共施設での導入も注目されています。今回は、先日文部科学省が公表した2018年5月現在の公立学校における再生可能エネルギー導入状況調査について地中熱システムの状況を紹介した「Geo Value」Vol.66(配信ECO SEED)記事から特別に紹介します!(エコビジネスライター名古屋悟)
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環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進を進めている文部科学省はこのほど、2018年5月現在の再生可能エネルギー導入状況調査結果をまとめました。それによると、地中熱利用設備を導入している公立学校は前回2015年4月現在調査に比べて56件増の133校となっています。
内訳を見ると、小・中学校46件増の107校、高等学校5件増の16校、幼稚園3件増の6校、特別支援学校は変わらず2校となっています。前回2015年度調査時から18校増えています。
◇目立つ岡山、熊本での導入増
小・中学校を地域別に見ると、岡山県が最多の18校(すべて新増)、東京都が14校(2件増)、北海道9校(3件増)、石川県8校(2件増)、広島県(前回同)、熊本県が6校(すべて新増)、岩手県(前回同)、新潟県(すべて新増)、山口県(1件増)が5校、福井県が3校(前回同)となっています。岡山県と熊本県の伸びが顕著です。
高等学校では、秋田県と石川県で前回同様3校と最も多く、次いで熊本県が2件(2件とも新増)
北海道(新増)、埼玉県(新増)、東京都(前回同)、神奈川県(前回同)、静岡県(前回同)、京都府(前回同)、徳島県(新増)、広島県(前回同)、山口県(新増)で各1校となっています。こちらでも熊本県が件数を伸ばしたのが特徴になっています。
幼稚園では、秋田県が3件(すべて新増)と最も多く、北海道、福島県、滋賀県でそれぞれ1校(前回同)、特別支援学校では石川県、熊本県で1校ずつ(前回同)となっています。こちらでは公立幼稚園において秋田県が一気に件数を伸ばしたのが特徴になっています。
その他の再生可能エネルギー設備である太陽光発電(2040件増の1万657件)、風力発電(前回同711件)、太陽熱利用設備(10件増の240件)、バイオマス熱利用設備(51件増の218件)などに比べると導入校数はまだ少ないですが、熱災害と言われた2018夏を境に学校エアコン設置の動きも加速しており、その流れで地中熱空調システムを伸ばせるか、注目されそうです。
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※「Geo Value」は、地中熱利用促進に向けた情報を契約読者に配信している電子媒体です。環境省や経済産業省等の政策や地中熱の普及促進を進めている業界、導入事例等の最新情報を毎月2回お届けしています。(年間契約料¥19,440‐、PDF・e-mail配信、毎号16ページ~)
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