【Geo Valueセレクション】北陸エリアの新たな交流・協創・革新拠点で地下水の熱利用


◆金沢駅前に開業した「Hirooka Terrace」:BELS最高評価も◆

北陸エリアにおける新たな交流・協創・革新を生み出す拠点としてこのほど開業した「Hirooka Terrace(ヒロオカ テラス)」(石川県金沢市広岡2-12-6)では、省エネの観点から地下水の熱利用も行っており、注目されます。

これは、「地域から世界をよりよいものにする。」「未来を構想し、挑戦・創造する『ビジョナリーリージョン』を実現する」べく、10月1日に社名変更を行ったCCIグループ(旧称:北國フィナンシャルホールディングス)が計画を推進、三菱地所設計による設計監理のもと竣工したもので、CCIグループの拠点である「北國銀行本店ビル」(2014年竣工、設計:三菱地所設計)に隣接しています。施工は清水建設です。

この施設は、両棟で連携を図りながら、金融機関をハブとして地元企業・官公庁・教育研究機関をつなぎあわせる場として機能し、地域づくりの取り組みに加え、首都圏や海外への展開・情報発信を強化する拠点となるとしています。

Hirooka Terraceでは、働く場所の開放性と流動性を高め、協創拠点として、多様な利用者が交差し、新たな革新を生み出すワークプレイスの構築を目指すとともに、これを内部にとどめず、外部の自然を感じられる環境として実現することが新たな可能性になると考えたとしています。

サステナビリティの視点では、石川県産木材を潤沢に利用した「MIデッキ」を導入したほか、延床面積20,000㎡を超える高層オフィスビルで初となるNearly ZEB認証を取得した点が特徴になっています。

特徴的な外観を生み出す半外部のテラスは、内部への日射の直達を遮蔽し、Low-Eガラスとの組み合わせにより、空調負荷を大幅に削減。また、テラスには利用者の手で開閉が可能なジャロジー窓を設置し、風通しの良い空間をつくりながら、事務室の自然換気を促すパッシブデザインを行っています。

さらに、こうした建築計画に加えて、地下水を用いた熱源システムをはじめとする高効率設備を導入することで、徹底した省エネ化を図り、建築物省エネ法に基づく第三者認証制度である「BELS」の最高評価(ファイブスター)ならびに「Nearly ZEB」を取得しています。

JR金沢駅金沢港口からすぐの場所に立地する施設での地下水の熱利用は、地域産業の交流・協創・革新を生み出す拠点としてもさることながらサステナビリティの視点でも大きな注目を集めそうです。

※この記事は地中熱等の電子専門紙「Geo Value」Vol.231に掲載したものです。

※記事中の写真、図は三菱地所設計発表資料より。

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