【2023年夏特集】③SDGsの時代に動力使わずエコ融雪~興和のヒートパイプ融雪

地中熱はじめ再生可能エネルギー熱の用途には空調のほか、雪国では「融雪」にも利用できます。この再生可能エネルギー熱を利用した融雪システムのうち、興和(新潟市中央区新光町6-1、齋藤浩之社長)が販売している「ヒートパイプ融雪システム」は、動力を必要としないエコな融雪システムとして近年、注目が高まっています。持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みが重視される中、動力がいらない融雪システムとは何か、紹介します。(エコビジネスライター・名古屋悟)


◆ヒートパイプ内に封入した冷媒が地下で熱を奪い、地表で雪を溶かす◆


興和のヒートパイプ融雪システムは、地中熱や温泉熱、下水熱等の再生可能エネルギー熱を利用して融雪するものです。

ヒートパイプは、柔軟で折り曲げることが可能な外径26.5 mmのステンレス製のパイプで、作動液として冷媒の「R134a」が封入されています。このヒートパイプは、例えば地中熱を利用する場合、地中側に垂直に埋設し、地表近くでL字に曲げて路面下に水平に敷設します。

融雪の仕組みは、地中側のヒートパイプ内で液体だった作動液が地中の熱を奪って温まって気体となり地表部に移動します。この時、地中から奪った熱も地表部に運ばれ、路面を温めて雪等を溶かします。融雪で熱を奪われた作動液は再び液体となり、ヒートパイプ内を自然に地中側に移動します。このサイクルを繰り返すことで、動力なしで雪を溶かすことが可能になっています。地中に埋設する部分は、丈夫な防食用シースで覆うため、劣化などの懸念もありません。用途に応じて1m~24mまで製作可能となっています。


◆地中熱、下水熱、温泉熱等を熱源に融雪◆


年間を通じて一定の温度を保つ地中熱を利用する場合、15~20mのボーリング孔にヒートパイプを挿入し、地中熱エネルギーを舗装まで運んで融雪を行います。

冬期でも温かい生活排水等が流れている下水道管の下水熱を利用する場合、下水管の周囲にヒートパイプを沿わせるように配置し、下水熱を地表に伝え融雪を行います。

温泉熱を利用する場合、温泉排湯が流れる側溝などからヒートパイプを用いて熱を集め、路面に伝えて融雪を行います。

地中熱や下水熱では1日30cm程度の降雪まで対応でき、温泉熱を利用した場合はさらに多い降雪でも対応が可能だということです。


◆新潟県はじめ雪国における道路融雪等で導入進む◆


これらの融雪システムは、興和が所在する新潟県内を中心に、北海道や青森県、秋田県、山形県、福島県、富山県、福井県、群馬県、長野県、鳥取県などの車道・歩道等で導入されています。

再生可能エネルギー熱を利用する点、動力不要な点から温室効果ガスの排出抑制の効果の高さが注目されると同時に、持続可能な開発目標(SDGs)が叫ばれる世の中でヒートパイプ融雪システムは今後、一層注目すべき技術と言えそうです。

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